
坂本龍一プロデュースの「ロハスクラシック・コンサート2008」に行って来ました。会場はTBS隣の赤坂サカス。このコンサートは、坂本龍一さんの総合プロデュースのもと、「音楽こそ、人と自然の最も美しいコラボレーションである」という趣旨により、新しい才能の発掘と育成、演奏機会の提供を目的として毎年開かれているものです。オーディションで選ばれた3組の演奏者による演奏と、若く才能のあるプロのアーティストたちの演奏、そして、坂本龍一自身による演奏の三部からなっていて、本当にすばらしい演奏を堪能しました。「戦場のメリークリスマス」「フラワーエナジー」のピアノ生演奏、今でも耳に残っています。鹿児島の若き才能ある皆様も、この公募オーディションに参加してみてはいかがでしょう!
高校進学のお祝いということで、ようやく携帯電話をもつことがゆるされた息子。そんな彼にきょうはじめてメールを送った。
親子メール なんとなく気恥ずかしいのは慣れないせいかしら?
「早く帰って来てね」
「・・・」
「今、電車の中?」
「・・・」
「あと何分で着きそう?」
「・・・」
「ちゃんと返信してよ」
そうこうしてるうちに、メールより先に本人が帰ってきた。
開口一番、
「めんどくさかったから返信しなかったよ。あとさ、

マークつけるのやめてくれない、キモチワルイからさ」
キモチワルイですって?!ひどいよまったく 所詮、息子とのメールなんて、こんなものなのかね
情けないママです。
山手線で浜松町まで来ると、いつもならモノレールに乗り換えて羽田空港へと急ぐのですが、その日に限って手がちぎれそうなくらい重い大きな荷物を抱えていた私は、迷わずタクシーに乗りました。それが悲劇の始まりなんて、誰が想像できたかしら・・・
タクシーの運転手は年配の女性で、私の仕事のことやらプライベートなことやら、根掘り葉掘り聞いてくるいやーな感じの人でした。
ほどなく彼女、
「お客さん、飛行機はJAL、ANAどちっですか」
と聞くので、
「JALです」
と答えました。
今度は
「JALは第1ターミナル、第2ターミナル、どっちでしたっけ?」
と聞くので
「第2・・・だと思います」
そんなことあんまり気にも留めていないので、私も定かではありません。
すると、
「私、この仕事始めたばっかりなので、空港に来るの、はじめてなんですよねえ」
えっ!!なんだって??おいおい、大丈夫なの??
不安を隠せない私。
そうこうしているうちに空港に着いたものの、着いた場所はANAの乗り場。
「あれっ、JALってお客さん言いましたよね。JALはどこだ?」
「どこだって、ちょっと待ってください。冗談でしょ。タクシーの運転手なのにわかんないんですか?」
「たぶんこっちだと思うんですけどねえ、案内板にも書いてある」
ぐるっとまわって・・・着いたところはまたまたANAの乗り場ではないか!
もう私は半泣き状態で、
「最終便なんですよ。次の飛行機、ないんですよ。6時55分、あと20分!しっかりしてくださいよ」
「大丈夫ですよ。5分前に着けばいいでしょう?」
「何言ってんですか、バスや電車じゃないんだから!飛行機乗った事ないんですか?」
すると今度はなんと渋滞。止まったっきり車が動かないのに時間だけは過ぎていく。
「もう降ります!!」
思い余って吐き捨てるようにそう言うと、荷物抱えてわき目もふらず車道を走る私、なんて悲惨なんでしょう。
間に合わなかったらどうしよう、そんなのいやだいやだ
何でこんなことになるのよお・・・
ああ、いつものようにモノレールに乗っときゃよかった
神様助けて!
いろんな思いが交錯して気が変になりそうです。
すると後ろから、クラクション鳴らしながらさっきのタクシーが。
何かと思えば
「お金、お金。あなたお金払ってないよ」
目的地まで連れて行ってくれなかったくせに何言ってんのよ!
そう思いながらも、震える手でようやく財布の中から千円札、四枚取り出し、無造作に窓から投げ入れてやりました。
前を向き、また私は走ります。渋滞は空港の駐車場に止める車によるものでした。
駐車場の警備員に、
「すいません、JALのターミナルはどっちですか」
息を切らして尋ねると、指差した方は、はるかかなた。
もうだめだ・・・・
そう思ったときです。一台の車がすっと横に止まって
「乗りなさい」
と声がしました。
言われるままドアを開けると、
「JAL,ANAどっちなの?」
五十代後半くらいのおじ様でした。家族を出迎えに空港まできたと言っていました。
「JALです。タクシーに乗ったんですけど、途中迷ってしまって・・・ひどい話です」
もうどこをどう行ったか覚えていません。間もなくしてJALの文字が見えたとき、もう思わず涙が出てきて、
「本当に本当にありがとうございました。助かりました。なんてお礼言っていいかわかりません。あの、名刺か何かください」
「そんなことはいいから、早く行きなさい。どうにか間に合うと思うよ」
「ありがとうございます。あの、親切にしてくださったこと、一生忘れません。本当にありがとうございました」
そう言って、車を降りました。おかげで、ぎりぎり間に合うことができ、無事帰路に付くことができた私です。今、思い出すだけで生きた心地がしません。私にとって、とても衝撃的な出来事。もし逆の立場だったら、私はあの人のように、車を止めることができたでしょうか。
車道を走る私を見て、尋常じゃないことを察してくれたその人・・・
困っている人、助けを必要としている人、そんな人を見かけた時、人はわかっていながらも、手を差し伸べる勇気がなくて、見て見ぬふりをしてしまいがち。私もどちらかと言えばそうでした。
けれども、あのせっぱつまった、ぎりぎりの状況で助けられたことで、私は変えられました。
たとえば、電車の中でさっと席をゆずるとか、両手に荷物を抱えている人がドアを開けづらそうにしていたらそっと手を貸すとか、何かの拍子に誰かが物を落としたら拾ってあげるとか、ほんのちょっとしたことでも、躊躇せず、理屈なしに自然と行動できる、そんな大人になりたいと、今さらながらいい年した大人が思うのでした。大変だったけど、貴重な体験となりました。このことは、子供たちにも言って聞かせたいと思っています。